日常生活の中に非日常の空間を

ご主人が長い闘病生活を送っていらっしゃるご夫婦からの生前相談でした。

「音楽とお花で明るく送ってあげたい」

「献花方式で親しい仲間だけで送ってあげたい」

このご要望を聞き、すぐにご自宅のリビングでの献花式を提案させていただきました。

通夜のお別れ会は2部構成にします。

1部はご親戚、2部は仲間の方々に向けて執り行います。

「そうするとご近所様は、どうなるの?」と奥様。

ご主人がご逝去された際には、お式までの日程をゆったりと延ばすことにします。

そうしてできたお式までの3~4日の間に、ご近所様には三々五々、リビングにつくった祭壇で献花していただこうというわけです。

その間、ご主人にはゆっくり「お休み」いただくというのもひとつの考え方です。

9ヶ月後……

ご主人はご逝去されました。

9ヶ月の「終活」の中で様々なお話をさせていただきました。

その中ではっきりしてきたのは「日常生活の中に非日常の空間を」というコンセプトでした。これをストーリーとしてかたちにしたのが生花祭壇です。

出来合いの祭壇を飾るのではなく、お部屋にあった装飾を季節の花で施します。

さらにカーテンをオープンにして近隣の山々の風景をそのままに借景にします。

「幕は張りません」

「祭祀空間はご家族でつくります」

お別れ会の前々日。弊社音楽部のヴァイオリン奏者-シンセサイザー奏者での デュオ献奏をさせていただきました。

奥様、ご長女、ご家族だけの時間です。

それまでにいただいていたリクエストに加えてご主人が好きだったという「会いたかった」(AKB48)のリクエストをいただきました。

通夜(お別れ会)当日が来ました

1部はご親戚のみのお別れ会。クラシック曲中心の「故人へのレクイエム」を演奏します。

2部は仲間の方々とリクエスト曲中心で故人を偲び、最後は「会いたかった」(AKB48)。

全員がスタンディングです。

手拍子をとったり、「オタゲー」をしたり。集まった皆様の心がひとつになりました。

翌日はご家族だけで故人をお送りしました。

ご出棺前には三重奏(トリオ)で献奏。 火葬場は真鶴聖苑です。

海が好きだった故人とご家族の「最後の小旅行」となりました。



葬儀社の考える終活

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